DMEとは
DMEとは DME(Di-Methyl Ether、ジメチルエーテル)は、その化学式が、CH3OCH3で示される物質で、沸点-25.1℃、常温常圧では無色の気体ですが、飽和蒸気圧が0.6Mpaと低く、圧力をかけると容易に液化します。炭素同士の結合を持たないため、排出ガス中の微粒子状物質(PM) が無く、硫黄(S) を含まないことから硫黄酸化物(SOx) も発生しない。また、熱量当りのCO2の発生も少なく、NOxの発生も少ないため、環境負荷の極めて小さい「次世代のクリ-ンエネルギー」です。燃料としての基本物性を、他の関連する燃料と対比して、表1に示します。
DMEの製造は、天然ガス、石炭などの化石資源からだけでなく、最近では木材チップから下水汚泥までのさまざまなバイオマスを利用した製造方法が注目されています。さらに、新たなエネルギー源として注目されている風力発電や太陽光発電電力により生成した水素からの製造方法も注目されている。 DMEの用途としては、LPガス、天然ガスと同様に、主に家庭用燃料、発電用燃料としての開発が進められています。公害に悩む中国では民生用の都市ガス燃料の成分としてプロパンに配合して使用されています。米国ではセタン価が55と高いことから環境負荷の少ないディーゼルエンジン用燃料として注目され、トラック用燃料としての実証実験が動き出しています。そのほか、燃料電池用の燃料等、幅広い用途に利用可能な新エネルギーとして現在用途の開発が進められています。 DMEの燃料規格は、JIS規格K2180が、2013年、発行されました。米国では、ASTM D7901 (Standard Specification for Dimethyl Ether for Fuel Purposes) が、2014年、発行されています。 燃料DMEの国際規格ISOは、日本主導で検討され、2015年、ISO 16861(Specifications of dimethyl ether (DME))が発行されています。
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