スラリー床プロセス
スラリー床DME直接合成技術の特徴 (1)触媒系とDME合成反応式 ・メタノール合成+脱水+シフトの3機能を有する触媒系で、H2/CO=1の合成ガスから直接DME(CH3OCH3)を合成します。バイオマス、石炭など炭素リッチの原料にも適します。 3H2+3CO→CH3OCH3+CO2 ・平衡反応率が高く、メタノール合成に比べ、低圧で合成できます。 ・スラリー床で高反応率、高選択率を示す専用触媒で、触媒寿命も実証されています。 (2)スラリー床反応器 ・DME合成反応は、大きな発熱を伴うので、反応器内の温度分布制御が重要になります。 ・スラリー床反応器の概念図を図3に示します。粉末状の触媒が不活性の媒体油に懸濁したスラリーの中を合成ガスが気泡として上昇します。合成ガスは、媒体油中に溶解し、触媒と接触して反応します。反応熱は熱容量が大きいスラリーに吸収され、有効熱伝導度が大きいので、温度分布が均一になり、局所的な高温部における触媒の活性低下を防ぐことができます。 ・スラリーと熱交換チューブ間の熱伝達係数が大きく反応器からの熱除去が容易です。 ・運転中に触媒交換が可能なことが実証されています。 ・標準的な、運転条件は、圧力5Mpa、温度240-280℃です。
(3)DMEの精製分離 ・水の副生が極微量で、未反応ガスからDMEを高効率で冷却分離できます。 ・副生するCO2はDMEに吸収され、未反応ガスから分離されます。
参考文献 ”New Clean Fuel from Coal: Dimethyl Ether” ”An Ultra Clean New Fuel: Dimethyl Ether(DME)” ”Slurry Phase DME Direct Synthesis Technology -100 ton/day Demonstration Plant Operation and Scale up Study-” ”Slurry Phase Reactor Technology for DME Direct Synthesis” ”DME Production from Coal”, ”DME Production from Biomass”, ”DME Production from Renewable Power” |
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