間接法と直接法の比較
DME製造プロセスフローについて、間接法と直接法の比較 木質系バイオマスをガス化して、DMEを製造するプロセスについて、間接法と直接法のプロセスフローの例を図4に示します。間接法プロセスに比べ、直接法プロセスは、プロセス構成が簡単で、機器の数が圧倒的に少なく、合成反応の圧力も低いので、設備費、運転費が低減できます。 原料の木質バイオマス由来で、製品DMEに転化されない炭素は、CO2として排出されますが、直接法プロセスのほうが、冷ガス効率(製品DMEの熱量/原料木質バイオマスの熱量)が高いので、CO2排出量は低くなります。
[間接法プロセスフロー(図4-A)] 木質バイオマスをガス化して得られる合成ガスの組成は、H2/CO比が1に近く、メタノール合成反応に必要な比率に対して低いので、精製後、水蒸気を添加し、シフト反応(CO+H2O→CO2+H2)によりH2/CO=2に調整した後、CO2を除去します。 調整された合成ガスは、8MPaに昇圧後、メタノール合成反応器に導入され、メタノールに転化されます。生成したメタノールと未反応の合成ガスは冷却分離され、未反応の合成ガスはリサイクルされ、液体メタノールは中間タンクに貯蔵されます。 液体メタノールは、ストリパーで溶解している合成ガスを分離した後、加熱気化され脱水反応器に導入され、DMEに転化します。DMEと副生する水、未反応のメタノールは、2基の蒸溜搭で分離され、未反応のメタノールはリサイクルされます。製品のDMEは、冷却液化されタンクに貯蔵されます。副生する水には、一部メタノールが残存するため、排水処理が必要となります。
[直接法プロセスフロー(図4-B)] 木質バイオマスをガス化して得られる合成ガスの組成は、H2/CO比が1に近いので、精製後、5MPaに昇圧後、スラリー床DME合成反応器に導入され、DMEに転化されます。生成したDMEと副生するCO2、一部副生するメタノールと水は冷却液化され、未反応ガスから分離されます。未反応の合成ガスはリサイクルされます。DMEは、CO2分離搭でCO2を分離され、次のDME精製塔で精製されます。DME合成反応器におけるメタノール、水の選択性は低く、DME精製塔の塔底から排出されるメタノール/水混合物の量は少ないので、バイオマスガス化装置にリサイクルされ、処理されます。製品のDMEは、冷却液化されタンクに貯蔵されます。
|
«前ページ | トップ | 次ページ» |